大人気スマホアプリ『フェイトグランドオーダー(FGO)』がゲームセンターにアーケードゲームとして登場!
その名も『FGOアーケード』
あの2016年の「艦これアーケード」の爆発的人気を体験したゲーセン運営者は、「これも間違いなく売れる!」と期待して大量導入した新作ゲーム。
1店舗4台以上設置した所はたくさんあり、中には10台以上導入した店舗もあります。
しかし蓋を開けてみれば稼働後1週間で空き席の方が多いという見事な爆死っぷりを見せてくれたFGOアーケード。
「知名度の高い人気のアプリ」+「トレーディングカード」という約束された勝利のような組み合わせなのに一体なぜ過疎ってしまったのでしょうか。
今回はそんなFGOアーケードがなぜ失敗したかについて、元ゲーセン店員が考察していきます。
目次
FGOアーケードはなぜ爆死してしまったのか
では早速なぜFGOアーケードは過疎ってしまったのかについて考察していきます。
「重課金ゲーム」と「トレーディングカードゲームではないゲーム性」の大きく分けて2つです。
細かくあげればあの爆死した「ソウルリバース」と同じコントローラー仕様とか色々あります・・・
重課金ゲーム
もともとのFGOアプリ自体は無料で遊べますが、FGOアーケードは遊ぶだけでもお金を消費します。
また、霊基召喚(ガチャ)を引くのにもカード発行代で1回100円必要になります。
しかも星5サーヴァントの排出率はアプリと同じ1%とも言われています。
狙ったサーヴァントが出るまでいくらかかるのでしょうか・・・
ここでの問題点は、メインターゲットをFGOプレーヤーにしていた事ですね。
FGOアプリでも課金+FGOアーケードでも課金はよっぽど稼いでいる人じゃないと厳しいです。
さらにアプリゲームと同じく、いくら課金しても資産とならないのが問題です、これは次のトレーディングカードゲームではないゲーム性に繋がります。
トレーディングカードゲームではないゲーム性
FGOアーケードは、実際にキャラクターが印刷されたカードが排出されます。
そもそもFate作品がストーリーもさることながら、そのキャラクターの秀逸さにより人気を博した作品なので、そのキャラクターが印刷されたカードはとても魅力的で価値があるものとなるはずでした。
しかしこのFGOアーケードのカード、他人のカードを使えはしますが、霊基再臨が使えないという制限がかかっているのです。
簡単に言うと他人のカードはレベル上限があるのでどんなに良いカードでもあまり強くならない、という制限があるので実質トレード自体が無意味という事です。
トレードできないと以下のようなデメリットが発生します。
トレードできない事のデメリット
・自分が使わないカードは無価値
・自分が使いたいカードは自力でガチャを回し続けるしかない
・ゲームを辞めてもカードが売れないので資産にもならない
メーカー側(ゲーセンも?)の思惑としては、トレードショップなどで取引されるような環境を潰して、引退者からのカードが出回らないようにしてゲーセンの売上維持を考えていたのでしょうが、これが見事に大失敗となりました。
自分が好きなサーヴァント、強いサーヴァントで遊びたいのに、カードが出ないガチャ地獄、そして気付くのです、アプリでよくない?って・・・
そうしてプレイ人口は一気に減少していきました。
FGOアーケードがゲーセンに与えた影響
FGOアーケードがゲーセンに与えた影響は大きいです。(マイナス面で)
基本アーケードゲームの購入は、事前予約制で予約をしていないと購入する事ができません。
つまり発売後に人気が高いからといって購入しようとしても購入出来ないのです。
どうしても購入したい場合はどこかから中古で購入するしかありません、しかし人気の機種であればどこのゲーセンも手放しませんよね。
これを踏まえて最初の艦これアーケードの話に戻るのですが、これは前評判はそこそこだったので、導入を見送ったり、購入数を少なめにしていたゲーセンがたくさんありました。
しかし発売されてみると空前の大ヒットとなり、ピーク時は5時間待ちとかザラに出るような人気機種となりました。
この艦これアーケードで儲け損なった、大儲けした店舗は、このFGOアーケードも同じくヒットする可能性が高いと見て大量導入をしたのです。
結果は今の稼働状況を見てもらえれば分かると思います。
ゲーム筐体は買って終わりではなく、プレイ毎に通信費としてメーカーの取り分が発生しますし、カードもカード代、インク代というコストがかかります。
FGO重課金プレーヤーを確保できたゲーセンは良かったでしょうが、地方の店舗などは大打撃となったのではないでしょうか。
FGOアーケードは稼いでいる?
爆死とか過疎とか言うけどFGOアーケードは稼いでるって言う方もいるかもしれません。
ゲームセンター向けの情報誌、「アミューズメントジャーナル(Amusement Journal)」ではビデオゲームなどのジャンル毎に売上ランキングが掲載されているのですが、FGOアーケードはなんと大型ビデオゲームランキングの1位になっています。(2019年4月号)
母数が50店舗しかなく、2位が三国志、5位に星と翼のパラドクスが入っているあたり、個人的には信用できる数値には見えませんが・・・
私が働いていた店舗では、週に1台で数千円程度しか入っていませんでした。
台数を減らしたり、撤去した店舗もツイッター情報でよく見かけるので、売上が取れているようには見えませんね。
艦これアーケードと何が違ったのか
大ヒットした艦これアーケードと、大コケしたFGOアーケードの違いは何なのでしょうか。
艦これアーケード
・元のゲームが重課金ゲーではなかった(ガチャなし)
・カードが高額で売れた
FGOアーケード
・元のゲームが重課金ゲーだった
・カードが売れない
元のゲーム性の違い
艦これは元のブラウザゲームでは課金システムはあったものの、ガチャゲーではありませんでした。
持てる艦隊の数が増えたり、戦闘が若干有利になるといったシステム面での優位性確保の為の課金システムです。
言うなれば初の艦これのガチャゲーなのでそれは課金しまくりますよねという話です。
一方FGOは元より同じキャラクターの為にガチャぶん回してるので、これをもう一度と考えると課金もためらわれます。
カードが取引できるか否か
そして大事なポイントのカードが取引できるかどうかです。
艦これアーケードは高額で取引されるカードが排出されるので、稼働当初は転売屋と呼ばれる人もたくさん群がってきました。
これにより正規でプレイしたいユーザーも膨大な待ち時間が発生して不快な思いをされた方もたくさんいらっしゃったと思います。
この点も踏まえたのかどうかはわかりませんが、FGOではトレードが実質無効となるシステムが導入されてしまいました。
長い目で見るとこのトレード無効なシステムは必要であった可能性もありますが、初心者や運が悪い人、ガチャに費やすお金がない人お断りのような高い壁を作ってしまったのはよくなかったのではないでしょうか。
実際期待度が高かった事もあり、稼働初週は待ちが出るほどの賑わいでした。
トレードが出来れば、高額で取引されるカードがあればまた違った結果になった可能性もあります。
今持っているカードが10万円使ったカードと、売ったら10万円の価値があるカードでは心の持ちようが全然変わってきますからね。
夢中になっていてもふと正気になった時に、一気に冷めてしまうというのはよくある話です。