皆さんはゲーセンのメダルゲームで遊ぶ事ありますか?
昔からメダルゲームで遊んでいる方や、スタホなどの馬ゲーにハマっている方はよく遊ばれると思いますが、メダルゲームはほとんど遊ばないという方が多いのではないでしょうか。
実際メダルゲームの売上は年々減少しており、新しいゲーセンではメダルコーナー自体がないゲーセンも存在します。
そもそもゲーセン自体が減少している中で、メダルゲームって儲かってるの?
気になりますよね。
そこで今回は、元ゲーセン店員である私が、メダルゲームが儲かるのかというのと、売上推移について解説していきます。
また、メダルゲームの今後について考察していきます。
目次
ゲーセンのメダルゲームは儲かってるの?
ゲーセンのメダルゲームは儲かります。
メダルゲームは機械自体を買ってしまえば、維持にはそこまでコストがかからないので利益率が高いです。
他のカテゴリで比較すると、クレーンゲームは新しい景品を購入するコストが常にかかります。
音ゲーもプレイするたびに通信費がかかり、プリクラもシール代がかかります。
しかしメダルゲームのメダルは何か景品と交換できる訳ではないので、排出してもコストはかかりません。
メダル貸出機を利用してもらえば丸々利益になります。
しかし年々売上はどんどん下がってきているんですよね。
メダルゲームの売上推移
メダルゲームの売上推移を見ていきましょう。
下のグラフは2006年から2017年までのメダル売上推移です。
単位:億円
2006年は1,998億円あった売上が、2017年には863億円という、半分以下の売上まで下がってきています。
ゲームセンター自体の売上が下がっているから当たり前と思う方もいらっしゃると思います。
一方でゲームセンター自体の売上推移を見てみましょう。
単位:億円
20016年から徐々に減少傾向にありますが、2008年から2017年まではほとんど横ばいの状態です。
2016年はメダルの売上割合は全体の28%を占めていましたが、2017年には18%まで下落しています。
メダルは下がりましたが、クレーンゲームの景品の売上が年々伸びているので、ゲームセンター全体の売上としては横ばい状態となっています。
メダルゲーム売上減少の要因
メダルの売上減少の要因について考えてみましょう。
メダルの売上は、パチンコパチスロの現金投入と、メダル貸出機からのメダル購入で構成されています。
2006年〜2013年
メダル売上が大幅に下落した期間です。
主な要因
・スマホアプリの台頭
・4号機パチスロの人気衰退
・メダル1,000円100枚の高レート
スマホアプリの台頭により、ゲーセン自体の客離れが深刻化していきました。
また、売上の大部分を担っていたパチスロ4号機「北斗」「吉宗」「番長」などの人気も徐々に衰退していきました。
メダルも当時1,000円で100枚以下のレートの店舗がほとんどで、1,000円使っても30分もしないうちになくなってしまう事から、ファミリー層や若い層の顧客獲得を逃し、後々苦労するようになります。
パチンコ業界と同じように、メダルゲームで遊ぶ若い世代が育成できませんでした。
2013年〜2016年
メダル売上低下が止まった期間です。
主な要因
・ラウンドワンがメダル1,000円500枚の低レートに変更
パチスロの売上が下がり、新盤面の売上も期待できないので、メダル貸機の売上を上げる方針に切り替えました。
2013年11月にラウンドワンが全店一斉に1,000円500枚という、これまでの貸出価格の1/5という値下げに踏み切りました。
そうするとラウンドワンに顧客が集中してしまうので、他のゲームセンターも追随するしかなく、全国のメダルレートは大幅に下げられる事になります。
この値下げ効果により、ファミリー層や若い層も気軽に遊べるようになり、メダルゲームを遊ぶ人も増えていきました。
パチスロの減収分をメダル貸機の売上でカバーする事で、メダル全体での売上は維持されるようになります。
しかしこれは諸刃の剣でもありました。
メダルレートを下げるという事は、デメリットを多数抱えていたのです。
メダル低レートのデメリット
・顧客のメダル保有枚数の増大による買い控え
・メダルの大量使用によりメンテナンス費用の増加
・JP(大当たり)を当てても価値が低い
・顧客のメダル保有枚数の増大による買い控え
メダルが無いからメダル貸出機を利用するのであって、メダルがあれば利用しませんよね。
1,000円500枚あるとなかなか無くならずに、むしろ増える方が多かったです。
当時はペイアウト率90%とかで運営されていたので、回収分よりメダル貸出機から排出されるメダル枚数が圧倒的に多かったのです。
これにより、毎週全体で10万枚以上のメダル預かり枚数が増えていきました。
・メダルの大量使用によりメンテナンス費用の増加
メダルは遊んでいると、レールなどに当たって少しずつ削れていきます。
小さい金属片やホコリが貯まるとエラーや故障の要因になります。
また、メダルは筐体内に貯まるので、回収する作業も必要になります。
メダル貸機にも頻繁に補充しないといけません。
単純に考えるとメダルレートが1/5になった事により、5倍の労力が必要になったのです。
・JP(大当たり)を当てても価値が低い
プッシャー機などのJPはスタートが2,000枚くらいです。
レートが下がる前は単純計算で2万円の価値がありましたが、レートが下がってからは4千円の価値になってしまいました。
大味になってしまって楽しみや喜びが薄れてしまったのです。
2017年〜2019年
メダル売上が再度下降し始める期間です。
主な要因
・メダルレートを1,100円300枚に上げた
・ペイアウト率を下げた
・預かり期限を短縮した
メダル低レート化によって一時期メダル売上は持ち直しましたが、上述したデメリットにより再度メダル売上が下降し始めました。
メダル保有者が増えたので、回収するのと、メダルが増えないようにする対策を同時に行ったのです。
メダルレートを1,100円300枚と、ペイアウト率を90%から88%、店舗によっては更に下げてきました。
これにより遊べば遊んだ分メダルは回収されるようになり、保有枚数もどんどん下がっていきます。
さらにメダル預かり期限も当時100日だったものを60日へ、そして30日へと変更しました。
3ヶ月に1度遊んでいた人のメダルは全て抹消されるようになり、月に1度来ない人はメダルをキープ出来なくなりました。
1万枚以上メダルを持っていた方も、ある日突然メダルが期限切れで0枚になったりしたのです。
遊ぶ気無くなりますよね。
これらの要因で再び客離れが加速化し、売上は減少傾向に再びなっています。
スタホ4の発売はメダルゲームの転機になる?
さて、ここからはこれからのメダルゲームについて考えていきます。
2019年年末にスタホ4がリリースされます。
これがメダルゲームにとって大きな転機となる可能性が高いです。
現行稼働中のスタホ3はコアなファンが多く、メダル売上を大きく担っているゲーム機です。
しかしスタホ4からは仕様が大きく変わります。
これまでその店舗で使っていたメダルが使えなくなり、スタホ4独自のメダルでしか遊べなくなります。
詳しくはスタホ4の紹介を別記事でしておりますので、こちらをご確認ください。
この仕様変更により、これまでスタホ3で遊んでいたメダルは一切スタホ4では使えなくなるので、スタホ4で遊ぶ為には新たにメダルを購入しなければなりません。
馬のデータは引き継がれますが、メダル0からやり直してくださいと言われて続けるでしょうか?
Twitter情報などを見ていても、「スタホ3で引退する」といったツイートを結構見かけます。
スタホ4稼働初年は一時的にメダル売上は上がるでしょうが、離れてしまう顧客が結構いる可能性を考えると、未来は厳しいものになる予感がします。
まとめ
以上、メダルゲームは儲かる?売上推移と今後について考察するでした。
メダルゲームは機械自体を購入してしまえば、メダル自体にコストはかからないので利益率は高いです。
しかしメダル自体の売上は年々減っているのでメダルゲームから撤退している、新規参入しないゲーセンも出てきています。
2019年年末のスタホ4のリリースにより、メダル売上やメダルコーナーが今後どう変化していくのか気になりますね。
個人的にはサクッと禁煙化してクリーンな環境にしてもらえると遊びやすくなるのになと思ったりします。
特にお子さんが遊んでいる環境がタバコ臭いのはどうかなと思いますので。
きちんと分煙ないし時間帯分煙を取り入れた方が良さそうです。