どうも、元ゲーセン店員のiwanaです。
UFOキャッチャーで景品が取れなくて悔しい経験をした事ってたくさんありますよね?
YouTubeでは店員さんが露骨に設定を変えて取れなくしている動画があげられていたり、
Twitterなどでも連日ゲーセンの闇と言ったワードでゲーセンの評判がどんどん下がっています。
そんな中でYouTubeで景品を乱獲している動画があげられると、
再生数も伸び、「店員涙目」とか「店員ザマァ」というコメントが多数寄せられ、見てスッキリした方も多いのではないでしょうか。
そもそも何故ゲーセン側はこんなに景品を取れなくするのでしょうか?
今回はUFOキャッチャーの景品が取れない5つの理由について語ります。
目次
理由① 景品の販売価格が一律
景品の原価率(PO)が概ね30%というのは聞いた事あると思います。
原価800円の景品ならば2600円で取れるようにするという事です。
これが人気のある景品であれ、不人気の景品であれ、この価格で取れるように運営されているのが問題です。
新入荷などの景品であればそれで問題ないのですが、時間が経ったり、不人気である景品もこの価格で販売が続けられます。
ある一定期間を過ぎると投げ売りされるのですが、
10%20%オフを経由するのではなく、一気に90%オフなどで販売される為、取れない期間(定価の期間)が長いのです。
また、その販売価格を消費者が見れないのも問題です。
ゲームセンターではよくパチもののような景品や、一発ネタのような景品を見かけますよね。
これも同じく30%で販売しようとしているのです。
普通のお店であれば、商品を見て欲しいと思った時に価格を見て買うか買わないか判別しますが、
ゲームセンターではこの販売価格が見えません。
パチもののTシャツや謎の叩き棒みたいな物も2600円だと買いませんよね?
1000円だったら妥当かな?という売り手と買い手で価格の相違が発生する為、
1000円使っても取れなければボッタクられた等思うようになるのです。
理由② 景品原価率をお店全体で調整
ゲームセンターでは景品の原価率30%を、その景品毎ではなく、お店全体で達成しようと運営します。
これの問題点は、店側のミスをお客様が負担するという点です。
店側のミスというのは、売れない景品や、過剰な在庫、安い価格で乱獲された等のミスを指します。
通常の飲食店で考えた場合、余った食材や、オーダーミスなどで発生したロスは店側が負担します。
今月はロスが多かったので定価1000円のランチを1500円にしました、なんて事はないですよね。
でもゲーセンではそれがあるんです。
店舗全体で30%を達成しようとする為、ミスによりロスした金額分、販売価格に上乗せされるのです。
簡単に言うと、販売予定価格が2600円の景品で、
前の人が200円で景品を取ったのならば、次の人は前の人のマイナス分2400円を上乗せされ、
5000円で取らされるという事です。
これは極端な例ですが、実際には次の人に販売予定価格に+300円で販売するようにするのを以降7人に繰り返して取り戻そうとします。
これにより台の設定が厳しい台が増えるのです。
YouTube動画で乱獲された後に店員が露骨に取れない設定に変えるのはこの為です。
理由③ ゲーセン店員のスキル不足
景品をUFOキャッチャーに投入する際に、仕掛けを作成するのですが、
店員によってスキル差があり過ぎるのが問題です。
仕掛けを作成する店員には経験とスキルが求められるのですが、
ほとんどのゲームセンターではこれをアルバイトスタッフが担当するのです。
これによりすぐ取れる乱獲台と極端に取れない激ムズ台が生まれます。
取れ過ぎる台はすぐ発見して修正されるのに、取れない台は放置されがちです。
その為店舗全体で見ると取れない台の割合が多くなるのです。
また、仕掛けによってマニュアルが存在したりしますが、
その景品毎に重さや大きさ、重心などが異なる為、
マニュアル通りに作成したとしても、意図したアクションをしない場合が多々あります。
それを狙って乱獲やせどりがされるのです。
そしてこの乱獲された分の負債を一般の方々が背負わされるのです。
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理由④ ゲーセン店員の少なさ
ゲームセンターでは確率機を除くと自力では取りにくくなっている景品が多々あります。
そのまま運営していると全く取れない方がたくさん出てしまうので、店員の存在が必要になります。
店員がプレイしていてもなかなか取れない方へアドバイスやフォローをするのです。
それにより適正金額で販売するようにコントロールしています。
しかしこれは店員が十分な人数いるのが前提の運営方法である為、
昨今のサービス業全体での人員不足によりこれが成り立たなくなってきています。
UFOキャチャーコーナーに行っても店員が一人だけ、もしくはいないといった事ありませんか?
店員がいないと景品がハマって詰んでいる状態でも、フォローしてもらえず諦めるしかないケースが多々出てきます。
それによりUFOキャッチャーは取れないというイメージがつくのです。
繁忙期間はそれが顕著で、店員が確保できないが、
稼働がめちゃくちゃ高い状態になる為、繁忙期の景品のPO率は20%等の低い数値になってしまうのです。
特に店員に声を掛けない方や初心者の方は、何もフォローされずに放置されて景品が取れない状態になり、悲しい思いをしてしまうのです。
理由⑤ 消費税
ゲームセンターの消費税は、プレイする消費者ではなく、ゲームセンターが負担しています。
100円1プレイの台は、本来であれば108円1プレイでなければなりませんが、
機械の仕様上100円しか投入できない為、8円分はゲームセンターが負担します。
この為、1プレイに対し、常に8%引きが発生しているのです。
消費税が上がると10%になる為、そうなると常に10%引きの運営をしなければなりません。
ゲームセンターは景品の仕入れ時の税金と、販売時の税金をどちらも負担しているのです。
その負担により利益率が下がる為、「景品自体の販売価格を上げる」、
「それ以外のコストを下げる」といった方法を取らなければなりません。
コストを下げるのでもっとも簡単なのは人件費を下げる事です。
ゲームセンターで働いている方は人件費が大幅に削られたり、どんどん削られている状態ではありませんか?
アルバイトさんも時間に厳しくなっていたり、シフト出れるのに時間が短かったりしたりしませんか?
それは運営にかける人件費を削られているからなのです。
しかし人件費を削る事で、景品が取れない理由の「スタッフが少ない」に拍車を掛け、
さらに「スタッフのスキル不足」も招き、景品が取れない=客離れにも繋がっているのです。
今後のゲームセンター
景品が取れない事による客離れにより、ゲームセンターの売り上げは低迷傾向にあったり、
潰れしまった店舗も多々あります。
ゲームセンターがピンチという声もよく聞きますが、
しかしこれはゲームセンター全体で見た時はそう見えるのですが、
頑張っているゲームセンターは売り上げが伸びているのです。
古かったり、阿漕なゲームセンターは淘汰されていっているだけなのです。
飲食店でも不味かったりする店舗にはお客様は来ませんよね、それと同じなだけです。
デカクレやUFOキャッチャートリプルなどの確率機が台頭してきたのも、
そのアクション性もさる事ながら、やったらちゃんと取れるのが大きな要因でしょう。
これからはそういったギャンブル性もありつつ、お金を使えばきちんと取れる機械や仕掛けが求められ、受け入れられていくと思います。
その波に乗れず古い様式を続けるゲームセンターは淘汰されていく事になるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上がゲームセンターがUFOキャッチャーの景品を取れなくしている理由になります。
商品の販売価格が一定ではない上に、価格が明示されていないのが消費者との認識の齟齬が発生する要因担っているのです。
そこに漬け込みギャンブルだからと悪どい商売をしているゲーセンには騙されないようにしましょう。
悪いものばかりではなく、店員さんに優しく対応してもらった、取れやすくしてもらった経験がある方も多いのではないでしょうか。
今後はそういったゲームセンターが生き残り、悪いゲームセンターは淘汰されていくと思います。
SNCが普及し、誰でも情報発信ができる現代、悪い噂はあっという間に広がります。
その情報の信頼性も重要ではありますが、悪い噂があるというのは何か理由があるのです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。