どうもiwanaです。
この度ゲーセン社員を10年務めて退職しました。
この10年色々ありましたが、それなりの役職には昇進しましたし、
責任者の仕事もしておりましたので、ゲーセン業務についてはほぼ完璧に出来ていたと思います。
仕事内容は煩雑で求められるスキルも高く、
就職してきても1年未満で退職したり、数年で退職する人もたくさん見てきました。
勤務開始してから10年経った頃には、私の同期は1/5くらいにまで減っていたと思います。
ハードではありましたが、楽しいところもありましたので働き続ける事が出来ました。
そんな私も精神的かつ身体的な理由で退職をしてしまった訳ですが、
これまで培ったノウハウをそのまま捨てるのも勿体無いなと思い、
これからゲームセンター業界で働きたい、働こうかな?
と考えている人に向けてゲームセンターでの業務内容についてお話します。
ゲームセンター社員の仕事内容
早速仕事内容について解説します。
接客
とにかくフロアに出て接客です。
フロアに出てお客様を観察し随時接客をしていきます。
土日祝に事務所で仕事していようものなら、上司にブチ切れられてました。

アルバイトの育成
ゲームセンターなので学生のアルバイトが多く、人員の入れ替わりも激しい為、常に研修する必要があります。
新人研修で一人あたり20時間持っていかれます。
また、専門的な知識が必要な場合もある為、
新人レベルを脱した後であってもフォローやサポートが必要なくなるレベルに達するまでにはかなりの時間を要します。
ある程度まで育ったなって思ったら卒業や就職で旅立っていってしまします。
また理不尽なクレームも多い為、嫌になってあっさり辞めてしまうアルバイトも多いです。

アルバイトへの指示出し
研修が終わったといってアルバイトを放ったらかしには出来ません。
業務指示をしないとおしゃべりしてたりぼーっとしているアルバイトが量産されてしまいます。
日毎のスケジューリングや、時間毎に誰が何をやるのか直接指示していく必要があります。
また、その業務がきちんと出来ているか現場で確認する必要があります。
確認しないとざっとやられたり、やったふりされます。
フロアで接客しつつ、アルバイトの動きを見る必要があるって事ですね。

シフト管理
アルバイトのシフトを作成します。
アルバイトスタッフの希望シフトをもとに、必要な時間にシフトを割り振ります。
シフトを割り振ったら、書く時間毎の担当するポジション(UFOキャッチャーコーナー担当やメダルコーナー担当等)を割り振ります。
私が勤務していた所は、人員が多く必要な店舗だったので、1週間分のシフト作成におよそ3時間程度必要でした。
作成後であっても、「やっぱりこの日は学校あったので休みにして欲しい」や
「急な用事が入ったので休みにして欲しい」や「しんどいので時間減らして欲しい」等々で
シフト調整をほぼ確実にやらされていました。
さらに体調不良や連絡なしなどの急な休みや遅刻も多々あり、
昔であれば、知らん!代わり探せとバッサリ切ってしまう事が出来たのですが、
ここ最近ではそんな事が出来ず、こちらでシフト調整してあげないといけない時代になってきましたね。
またGWやお盆・正月などの繁忙期での人員確保はいつも地獄です。

ゲーム機のメンテナンス
ゲーム機は稼働しているとほぼ確実に何かしらのエラーや不具合が発生します。
それを事前に防ぐ為のメンテナンスを実施したり、エラーにより稼働できなくなっている機械の修理をします。
これには知識と経験がモノをいうので、頑張って習得するしかありません。
取説を見てエラー個所の診断、テスターを使った導通確認や、ハンダを使った溶接は日常茶飯事です。
ある程度の専門性や技術も必要な事から、店舗によっては専門の技術スタッフが常駐している事もあります。
停止している間は売上ゼロなので素早く直す必要があります。
停止している機械が多かったり、不具合が多いとお客様は別のゲームセンターに流れてしまいます。
また不具合によってお客様からのクレームも発生しやすく、その対応に多くの時間が奪われます。
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UFOキャッチャーの仕掛け作成
アミューズメントの売上全体の約4割ほどを占めるクレーンゲームの仕掛け作成をします。
3本爪の確率機(一定売上で獲れるようになる設定のUFOキャッチャー)が増えた昨今、
全体の仕掛けに対し必要な時間は大幅に短縮されましたが、
ぬいぐるみ、フィギュア、雑貨、お菓子等の様々なサイズ、
新製品に対応する仕掛けを作成するにはかなりの時間を要します。
この仕掛けが売上にも直結する為、見栄えや動作テストにぬかりがあってはいけません。
アルバイトスタッフに任せている店舗が多いのですが、
任せっぱなしにしているとYoutube動画であるような裏技や乱獲をされてしまい、その対策に追われてしまいます。
また、同じ仕掛け、同じ景品をずっと同じ場所に置いていても売上は下がり続けるのでテコ入れや、入れ替え、新しい仕掛けの構築などが常に求められます。
売上の大部分をUFOキャッチャー占める為、
ここをしっかり管理し、接客スキルがある社員が上から求められています。
ココがポイント
UFOキャッチャーの仕事ができる人が活躍する職場

売上管理
営利企業である以上、売上や利益を上げる事が社員には求められます。
その管理についてのお話です。
集金業務
毎週全機種のゲーム機から現金を回収します、ゲーム機にはアナログメーターがついており、
100円が投入されるとカウントが1進む仕様になっており、
集金する機械に前週分のメーターをダウンロードしておき、
今週分のメーターを入力する事で差分を算出、お金を投入しメーターと実金額に差がないかチェックします。
これを設置してあるゲーム機全て1台1台で実施します。
各ゲームセンターの設置台数によって変わりますが、およそ4〜5時間程かかります。
大量の100円玉は圧巻です(笑)

売上対策
集金データを元に、各機種毎の売上の上下を確認し、その原因と対策を実施します。
「ゲームはプレイできる状態だったのか」「競合店に顧客が移動していないか」
「設置場所に問題はないのか」「バージョンアップや何かアップデートしたのか」等々さまざまな原因が考えられます。
ここの分析と対策がきっちり出来る人が責任者になれます。

競合店調査
他のゲームセンターの料金設定や設置筐体、その台数、稼働状況等々細かくチェックします。
私が務めていたところでは、勤務中に調査に行くように言われてはいましたが、
そんな時間はどこにもありませんでした。
フロア業務と事務作業に追われている状態で、移動と調査に1時間以上費やすこの仕事はどう頑張っても割り振りできませんでした。
ですので休日に調査するしかありませんでした!

メダルの流出入調査
メダルの流入出枚数に異常な点がないかチェックします。
簡単に言うと、「メダル顧客のメダル増減枚数」から
「メダル貸出機で利用された貸出枚数」と「全メダル機が回収・排出したメダルの枚数」を引いた枚数が何枚なのかを調べます。
この枚数が多いと、不正なメダルが発生している事になります。
「店員が不正に売買している」「メダルを外部から持ち込んでいる、外部へ持ち去っている」
「機械で異常が出ている」等の不正が考えられるので調査を実施します。
メダルの売上もまだまだ高いウェイトを占めているので、顧客の維持の為にも健全な運営が求められます。
不正な方法でメダルが増えるとなれば、誰も正規の価格でメダルを購入しようとは思いませんね。

景品の仕入れ
どの景品が売れるか、在庫はもつのかをチェックし、発注します。
ある程度本社が発注する景品を絞っているので、自由度は低いです。
さらに本社指定で勝手に納品されるので「どう見ても売れないやろ」「なんでこんなに大量に」等思うものもしばしばあり、
また設置場所も指定されている為、
自分で売り場を作っている感が全くありませんでした。
全店同じようにやるのは会社としては管理面で楽というのはわかりますが、県民性や流行り廃りも地域によって差があるものを、
これでやれの一点張りでやらされているのはあまりにもやりがいを感じられませんでした。
どの景品がとは言えませんが、こんな景品を本社の仕入れ担当が、
「これ面白いわww入れてみよww」ってよく考えずに発注していると思うとやるせない気持ちになりました。
そしてその景品が売れてないと、「お前たちの売り方が悪い」ですからね、やってられません(笑)
逆に数少ない選べる景品の中で自分が選び、仕掛けを作り、それがヒットするとテンションは上がります!
私が発注する時は常に、これ売ってあったら本当に買うの?って視点で発注してました。
一発ネタのような景品はただ面白いだけで、お金使ってまで欲しいものはありませんので。

部品の仕入れ
メンテナンスや故障が発生している機械に必要な部品を発注します。
各メーカー、各機種によってパーツが異なる為、取扱説明書を見て部品番号を探し、メーカーへ発注します。

その他仕入れ
その他必要な部材を各メーカーに発注します。
「おしぼり」「景品を入れる袋」「トイレットペーパー」等在庫管理は大変です。

風営法管理
ゲームセンターは風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律(風営法または風適法)により、
届け出と許可がないと運営できません。
パチンコ店やクラブなどが該当し、
ゲームセンターはその中でも5号営業に該当します。
これに定められた内容に違反すると営業停止等の処分となり、営業ができなくなってしまいます。
・営業時間
午前6時〜24時まで
・入場規制
県によってばらつきはありますが、概ね16歳未満は18時まで、保護者同伴であれば22時まで、22時以降は18歳未満は全て入場禁止
・必要な書類の提出と常備
従業員の名簿
設置機種のリスト(変更時に警察への届け出)
設置機種の図面(変更時に警察への届け出)
これらのルールを守っていないゲームセンターは違法営業もしくは、風営法に該当しないゲームセンター(10%営業)になります。

レイアウト変更
新機種が導入される際に、その設置場所確保の為に各機械の設置位置を変更したり、搬出したりします。
新機種を導入する頻度にも左右されますが、私が勤務していた所では月に1〜2度はありました。
新規設置機種の案内→図面の作成→設置位置や搬出機種を上長へプレゼン→承認→日程調整→実施といった流れです。
基本営業後の深夜に実施します。
移動と組み立てで普通に朝までコースです。
ハードです。

ゲーム機のバージョンアップ作業
各機種年に1回程度バージョンアップが入ります。
機種によって作業時間は変わりますが、POPの差し替え、インストール作業、パーツの追加等があります。
複数台ある、かつ作業時間がかかる台のバージョンアップ作業は1日コースだったりします。

ゲーム機の大会運営
土日に顧客獲得の為の大会を運営します。
そのゲームをやっている、詳しい人材がその大会を運営できればいいのですが、なかなかいません。
その為、マニュアルに沿った淡々とした運営しかできないっていうのがザラです。
さらにもともとフロアの人員も確保できていない状態でやっていた為、何の為にやっているんだろうと思っていました。

クレーム対応
このクレーム対応により大幅にスケジュールが乱されます。
イレギュラーではあるのですが、頻度も多い為ほぼレギュラーな業務です。
基本社員対応となるので、アルバイトから呼ばれたらすぐ駆けつけます。
大なり小なり日に2〜5件は対応してました。
場合によっては1時間以上も文句を言われ続ける事もありました。

まとめ
いかがでしたでしょうか。
ゲームセンターの社員というのはアルバイトや周りが思っている程簡単な仕事ではありません。
ゲームが好きだからという生半可な気持ちでやっても長続きしません。
ゲームに好きに触っていられる時間はほとんどないのです。
平社員のままそこそこでいいなら、深い知識が技術もなくやっていけますが、
これが40代や50代になった時に、体力的にも同じ平社員でやっていけるような仕事ではありません。
やるなら徹底的に上を目指しましょう。
私は上を目指しましたが、上のポストの少なさとチャンスがなかった事、
半端に頑張りすぎたせいで責任や業務がたくさん回ってきて、その多さに心がポッキリと折れてしまいました。
すでにリタイアしており、仕事内容にもネガティブな表現が多くて申し訳ありませんが、私が感じていたありのままの内容です。
最後グチみたいになってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
